お世話になっております。インキュベクスの青井です。

本日は、先日に引き続き、株式会社ドルフィン・エイドの代表、福嶋裕美子様のインタビューをお送りします。

福嶋様は、岡山県を中心に幅広く介護福祉事業を展開され、来春には、横浜市港北新吉田にて住宅型有料老人ホーム「介護の王国 ドルフィン港北」をオープン予定されています。

今回は、福嶋先生が今後を見据え、近年、注力されている外国人介護人材の受入れ(技能実習生、特定技能外国人など)についてお聞きしました。


福嶋様、お忙しい中、お時間を頂き、誠にありがとうございます。
本日もよろしくお願いします。


よろしくお願いします。


福嶋様が経営されているドルフィン・エイドでは、日本で介護の仕事に就く特定技能外国人、技能実習生の受け入れ、入国後講習や人材紹介などもされています。

どのような経緯でこの事業に関わるようになったのか、お聞かせいただけますか。


はい。私どもは岡山県を中心に、複数の介護施設を運営しています。

介護の現場では、介護士の数の不足を日々感じておりました。今後は人材不足が加速していくことは明らかです。

日本では2017年から介護に携わる技能実習生の受け入れを開始しました。

こうした背景もあり、介護技術の高い外国人人材の確保を目的として、登録支援機関を開設しました。また、有料職業紹介事業も行い、彼らが私どもの介護施設や他の施設で働けるよう支援を行っています。


外国人の技能実習生の受け入れもされていらっしゃいますね。


はい。特定技能外国人とは別に、日本で学んだ技術をいずれは本国で活かすことを目的として来日するのが、技能実習生です。

日本の素晴らしい介護技術、自立支援介護を伝えていきたいと考えています。そのためには、技能実習生の入国後講習を受託することがとても重要と考えます。


介護における技能実習生の入国後講習を私が実施するようになったのは、私の知り合いの技能実習生を支援する監理団体を運営している理事長とインドネシアに行き、技能実習生の面接を行ったことがきっかけです。

技能実習生は現地で1ヵ月、日本で1ヵ月、入国前後講習を受ける必要があります。その監理団体様はこれまで、農業や産業分野での研修は行っていましたが、介護の技能実習生の支援は初めてでした。

私たちは介護施設を運営している中で、蓄積された介護のノウハウがあります。そして、その監理団理事長が、介護の入国後講習をしてほしいと頼まれ、技能実習生の入国後講習事業を始める事になりました。

現在、私たちの入国後講習を受けた2名が当法人の老人ホームで、4名が夫の医療法人の介護老人保健施設で働いています。

教育に力を入れ、これから活躍する人材を育てたい

ありがとうございます。

新型コロナウィルスの影響で一時ストップしていた外国人実習生の入国が再開されましたね。


はい。日本政府は10月から全世界からの入国制限を緩和しました。

しかし、技能実習生の場合、レジデンストラックという2週間の待機(隔離)期間が必要です。

知り合いのホテルにご協力いただいて宿泊施設の手配をし、感染症対策を講じながら入国後講習を実施しています。1月末までに約100人受け入れる予定です。開講式には69人が参加しました。開講式後、五月雨式に入国をしてきました。

2020年11月からは、ベトナム、フィリピン、インドネシア、バングラデッシュ出身の方々(10~30代の男女)の入国後講習を実施しています。

「技能実習生の入国後講習  コロナ禍の制限解除 外国人69人の決意」


コロナが広がる前は、ネパールに行って特定技能生を対象とした試験対策講座も行いました。こちらも早く再開できるといいのですが。


福嶋様は「教育に力を入れていきたい」という思いが強いそうですね。


はい。何らかの形で教育に関わっていきたいという気持ちが、常にあります。

ネパールとのご縁は、ネパールで日本語学校を運営している私の知り合いが、うちの職員のネパール人女性とも共通の知り合いだったことです。

そんな偶然もあり、職員の女性と一緒にネパールに行き、2019年の夏「ネパールで、近々に特定技能外国人が受験する特定技能試験が始まります。その試験の対策講座をしたらどうでしょうか?」という話をしました。

当時はまだ試験が始まっていませんでした。その後、ネパールでも特定技能試験が、始まりました。その合格率は、約20%でした。

そして、2020年の1月にネパールに行き、私が特定技能試験対策講座を行いました。

介護の技能実習生の場合、日本語能力試験でN4以上を取っていないと日本に入国できません。認定はN1~5があり、N1が一番難易度が高く、N4は基本的な日本語を理解できるレベルです。

現在、日本語学校で勉強をしてN4を取得している技能実習生を対象に入国後講習の講義を行っています。そのうちの数人が、当法人の老人ホームに入職します。

そして、ネパールで私が行った特定技能試験対策講座に参加し特定技能の試験を受験し合格した特定技能外国人が当法人の老人ホームに入職します。


特定技能外国人、技能実習生の印象はいかがですか


現在、当法人の老人ホームに勤務しているインドネシア人の技能実習生は、とても真面目で何事にも一生懸命です。

日本語能力試験でN2の合格を目指し、昨年12月に受験をした技能実習生がいます。結果が楽しみです。


みんなイスラム教徒ですが、中には「日本に来たからには日本のやり方で」と言い、スカーフをかぶらない技能実習生もいます。学ぶ意欲、働く意欲をとても感じます。

「いずれは母国に帰って、老人ホームを作りたい。

という夢を持っている技能実習生もいます。

そういう夢を応援できるのも、教育の一環だと思っています。


なるほど、日本人に限らず、技能実習生、特定技能外国人もこれからの介護を担う心強い存在になっているのですね。

本日は貴重なお話を、どうもありがとうございました。


ありがとうございました。