【歯科医からの訪問看護ステーション参入事例】口腔機能を高めて健康を保つ。歯科医の立場で他職種との架け橋となり、 地域の高齢者福祉に貢献したい

お世話になっております。インキュベクスの青井です。

本日は、港区白金台で歯科医院を経営されている、株式会社Wisteriaの藤岡 信様にお話を伺います。

藤岡様の経営する歯科医院は訪問歯科にも力を入れ、さらにこのたび、訪問看護ステーション開業を目指して準備をされています。

本日はどうぞよろしくお願いします。


よろしくお願いします。



まずは藤岡様のご本業である、歯科医としての状況をお伺いしたいと思います。


はい。もともと家業が歯科医院で、私は4代目の歯科医師です。生まれ育った高輪で開業して、今年で20年目になります。

現在は通常の外来診療とあわせて、訪問歯科に力を入れています。

医療は在宅診療にシフトしていますが、訪問歯科を行う人は2000年まではそれほどいませんでした。

来院するのが難しい方への往診で入れ歯の調整などはありましたが、訪問して定期的に検診をしたり、顔の筋肉の機能訓練を行うようになったのは、2000年に入ってからですね。


訪問診療のように、歯科でも訪問歯科があるんですね。


団塊の世代が後期高齢者となる「2025年問題」を控え、訪問歯科はニーズが高まっています。

高齢者が起こしやすい誤嚥性肺炎は、口腔内の細菌が原因とわかってきており、予防のために口腔ケアや表情筋の訓練が非常に有効だと証明されています。

胃瘻や痰の吸引が必要な方にとっても、口腔ケアは大切です。機能訓練をして筋肉がつくことで、飲み込みも良くなります。それまで柔らかいものしか食べられなかった人が少しでも標準食に近づけば、栄養の摂取が良くなり健康が維持できます。

ご自宅で介護をしているご家族にとっては、一晩中だった吸引の回数が減ったり、患者さんにとっては胃瘻から回復できたり、食形態が改善することで生活の質を上げることができるんです。このように、少しでも良い循環となるよう訪問歯科に力を入れています。

歯科医と他職種が連携できるしくみが必要

地域包括支援センターなど、ケアマネージャー、医師や看護師、理学療法士などが連携して地域の高齢者福祉を支えるしくみがありますが、歯科医は少し違う立場なのでしょうか。


本来は歯科医師や歯科衛生士も、地域包括ケアの枠組みに入ってほしいというのがあると思うのですが、現状では少し離れてしまっています。

他の職種の方たちに、歯科の分野にも機能訓練があるとアプローチしたくても、なかなか機会がないのが現状です。

そこで、自ら橋渡しをする役割を担い、地域に限ってではありますが、口腔ケアの必要な人のニーズに対してサービス提供を円滑にできるよう、積極的につなげようと思っています。

外来の患者さんや高齢者の方など、誤嚥性肺炎や口腔機能低下の弊害をお伝えし、機能訓練を紹介するなど、歯科でできることを啓蒙していこうと思っています。

実際、口腔ケアは誤嚥性肺炎を防ぐことができますし、胃瘻だった人が口からものを食べられるようになれば、どれだけうれしいことか。

訪問歯科診療に行くとそれを実感しますし、ご家族の思いも感じています。

歯科プラスαのサービス提供を目指す

訪問歯科を行う中で、訪問看護ステーションという医療分野にも目が向いていったのでしょうか。


そうですね。最初は自分が訪問に行く老人ホームをつくりたい、と思っていたんです。ただ、歯科だけだとできることが限られるので、プラスαがあることで、歯科がより活きるのかなと思いました。

今の歯科医院は場所柄、外来では比較的若い方、お子さんの治療が多いんです。本来ニーズがあるはずの高齢者の方となかなか接する機会が増えなくて、せっかく持てるサービスの提供ができないことを残念に思っていました。

サービスを知らない人に、どうやって知らせていくか。そこを埋めていきたいと考えたとき、必然的に介護分野、訪問看護ステーションのほうへ発想が変わっていきました。


インキュベクスの説明会に参加されてみて、いかがでしたか?


地域包括支援センターのことは知っていましたが、機能自体は知らなかったので、インキュベクスさんの説明を聞いて、知っている知識と機能がつながりました。


老人ホームと訪問歯科、その中間に必要なものがあるんだな、と。
それが訪問看護ステーションという存在だったのだと思いました。


藤岡様は歯科医師であると同時に経営者でもあるので、訪問看護ステーションの運営についてはこれまでのご経験も活かせるのではないでしょうか。


そうですね。僕は日本という国が好きなんですけど、最近では“10年以内にGDPでインドに抜かれる”なんて話を耳にしたりすると、自分が生きている間に日本を盛り上げることができないかな、と考えます。

政治家になるわけではないですが、自分が関わっている仕事で何か力になれないだろうかと考えたとき、患者さんに対しては健康サービスを提供すること、そして自分は経営者でもあるので、働いている人たちのライフサポートをすることで、日本を明るくしたいと思いました。

歯科は女性が多い職場です。さらに訪問看護ステーションを開業したら、より多くの女性スタッフが増えるでしょう。その人たちの生活にも責任があります。家庭を持ち、お子さんを持ったら、仕事をして輝きながら家庭と両立できるよう、女性の人生のどの局面でもバックアップしたいと考えています。

口腔ケアのニーズにも応えられる訪問看護ステーションに

歯科医である藤岡様の立場だからこそ、こんな訪問看護ステーションをつくりたい、という理想はありますか。


はい。訪問歯科に行ってみて、老老介護のご家庭が増えていると感じています。1時間に1回痰を取る作業というのは、年老いた配偶者にとって非常に負担です。それで倒れてしまう人もいます。

嚥下の機能訓練によって胃瘻がとれるだけでも十分負担は軽くなりますし、少しでも患者さんご本人やご家族の苦労を減らせたら、という思いは歯科医の立場としてあります。

看護師だからこそ、いろんな人を巻き込めると思うんです。歯科医が関わることで看護師さんの引き出しが増えればと思うと同時に、歯科のシナジーにもなります。


どんな看護師さんに来ていただきたいですか?


高度な医療技術や病院勤務でしかできないところに惹かれる人もいるだろうし、それはそれでいいんですが、訪問看護という働き方である以上、共感力を大事にしたいと思っています。利用者様、ご家族、仲間の気持ちをくみ取れる人と一緒に働けたらいいですね。

利用者様の希望に寄り添い、自分事としてものごとを考えられる人に来ていただければと思っています。

もちろん、看護師さんの歯科治療もしますよ。口腔状態が良くないと、良い看護につながらないですからね。

口腔内のマッサージという、筋肉にほどよい刺激を与えるものがあり、これは表情筋や嚥下の機能訓練とあまり変わらないものです。

ご利用者さんに提供するようなマッサージを受けてもらえば、今まで知らなかったことも看護に活かせるのではないでしょうか。

嚥下に特色を持った訪問看護というのも打ち出せます。


今後、どのような形で歯科と医療をつないでいこうとお考えですか。


いずれは住宅型の老人ホームもいいかな、と思っています。看取りを家でできるのがいいですが、なかなかそうはいかない人もいます。経済的な制限がある人も入れるような施設が理想です。


“充実した人生だった”と思って最期を迎えていただけるような、そこに歯科も関われるしくみをつくっていければと思っています。

そういうビジョンに共感してくださる人が一緒に働いてくれたらいいですね。


歯科医、経営者としての藤岡様のご経験が活かされ、地域医療の架け橋となる訪問看護ステーションとなりそうですね。

開業を楽しみにしております。

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