お世話になります。インキュベクスの青井です。

最近、療法士さんから独立起業の相談を多くいただいております。

看護師さんに続き、いよいよ療法士さんが訪問看護ステーションの経営者として立つ時代が到来しつつある、そんな感があります。

本日は、来春の訪問看護ステーション開業を目指して準備を進める理学療法士、笠野様のインタビューをお送りします。

笠野様は、理学療法士として様々な勤務経験を経て、これまでの経験を反面教師として自らの理想のステーションの立ち上げを決意されました。

療法士業界の現状や今後の展望など、次世代を担う自然体の若き経営者の声をお聞きください。

これまでの経歴、独立起業を目指したきっかけ

よろしくお願いします。


はい、お願いします。


まず、理学療法士を志されたきっかけについて教えてください。


特にこれといったきっかけはないです。

あの、高校生の時、進路を選ぶ時に漠然と何か人のためになる仕事がいいかなって思って…

高校にあった職業の資料を見て「これでいいかな」っていう、最初は、そんな漠然とした気持ちでした。


でも資格を取って手に職付けようという気持ちはあったんですね。


それはありましたね。

何か漠然とネクタイしめるサラリーマンになりたくないっていうのは、何となく昔から思ってて。


なるほどですね、ありがとうございます。

では、理学療法士の資格を取られて最初に働かれたのが…


回復期の病院ですね。そこから訪問看護がやっているデイサービスで2年半くらい働いていました。

その後は、東京に出てみたかったので、江東区の訪問看護ステーションに就職して5、6年働きましたね


なるほど、ちなみに笠野様のご出身はどちらですか


千葉の船橋市です。


でも船橋も都会は、都会じゃないですか、でも東京でやってみたかったというのは、何か理由があったのですか?


そこの会社が住宅手当をくれたので(笑)。

通おうと思えば通えるけど東京で一人暮らしもしたかったので。


じゃあそこで初めて一人暮らしをされたんですね。


そうです。


それからそこの訪問看護ステーションで5~6年働かれたと。


はい。その間に結婚して子供が生まれて、その時って男も育児休暇を取れるご時世だったので、ものは試しと、育休を取りました。

(育休から)復帰するときに、ある方から新規の訪問看護ステーションの立ち上げメンバーとしての話が合ったんです。

まだリハビリが一人もいないからと、これは良い経験になるなと思い、そこに入りました。


そこで訪看の立ち上げから携わったんですね。

これまでは、そこで働かれていたということですか?


はいそうです。

そこで開業半年くらいで黒字転換になり、売上も80万、90万円くらいまでいけるようになったので、まあ良い経験が積めたかなってところですね。


前の訪看が江東区で、直前のところは?


台東区ですね。

ちょっとずつ、こう千葉から都会の方に(笑)。


なるほどですね(笑)。

では、訪看の立ち上げもご経験されて、いよいよご自身で訪問看護ステーションの開業を考えられたわけですが、何か独立しようと思ったきっかけがあったんですか?


まあ、反面教師ですかね。

これまで色々な会社を見てきました。

自分たちって病院とかで技術を学んで、会社に入って、現場では専門職として満足を得て(会社)に帰ってくるんですけど、社内ではうまくいかない、宝の持ち腐れというか…

みんな現場ではちゃんと出来るのに、会社でうまくコミュニケーションが取れなくて、それで離職とか、人が流れていったり…

やっぱり会社に長くいる人、まあ経営者だったり、主任クラスに人たちにクセの強い人とかがいたりとか…もちろん良い人もいますけど。やっぱりそういうのは、もったいないなと。

仕事はしっかりできるのに、人が流れてしまうというのは、もったいない、結構無駄が多いのかなと思って。

何かもっとスマートにっていうか、そこを整えられたら働いている人にもいいんじゃないかって。


なるほど。評価とかも、頑張った分だけとかじゃないですけど、そういったところも全然反映されていなかったり?


そうですね。

なので、自分がステーション立ち上げたら金銭面はもちろんですけど、気持ちの面とかも…

やっぱり自分たちって「ありがとう」って一言経営者から言ってもらえるだけで全然モチベーションが違うんですね。


なるほど。わかります。


でも、やっぱり経営者も「今、忙しいから」って雰囲気を出してくると、だんだん現場との間に溝ができていきます、だから自分は、コミュニケーションとかそういうことを大事したいと思います。


なるほど。わかります。

これまで働かれていて、現場に良いスタッフが多かったけども、結局、定着しないという現状があり、それを自分の手で変えてみたいと思われたんですね。


そうです。


有難うございます。

笠野様がこれまでキャリアを重ねられてきて、理学療法士としてのこだわりというか、在宅でどのように取り組みたいとかはありますか?


自分は、逆にないというか、理学療法士、看護師として身体の悪い人に接するというより、まず人と人で接して、そこから自分の持っている資格だったり、得意分野で何か手伝えることがあれば、っていうスタンスでの介入方法を取っています。


なるほど。

単なる身体評価だけでなく、あくまでご利用者様に寄り添って、その方のご希望だったり、その方に対して何ができるかっていうことですね。


そうですね。だから…やっぱりこう、資格者だからって技術者だからって驕る人は、やっぱり現場に向かないと思います。気持ち、何て言うんですかね…

初心を忘れないようにというか、経歴があるからって威張んないような感じがいいかな。


では、先ほどの現場のスタッフの働きやすさだったり、笠野さんの考える在宅でのアプローチ方法とかも今回の独立を考えるきっかけとなったんですね。


そうですね。研修とか技術面よりも、そのどうやったら現場のモチベーションや仲の良さをキープできるか、底上げできるかっていうが一番に考えているところですね。

インキュベクスを知ったきっかけについて

有難うございます。

次に私たちインキュベクスを知ったきっかけを教えてください。


何でしょうね。やっぱりYahooとかで「訪問看護 立ち上げ」とかで色々出てきたりとか。

あと先ほど、育休取って、台東区で一から立上げってお話をさせてもらいましたけど、その時に他の場所から一つ内定をもらっているところがありまして、そこのステーションが元々インキュベクスさんの支援を受けていたりとか…。

やっぱりケアーズって名前も色々と聞いていたことがあったので、そう意味でも存在は知っていましたね。

で、少し前に遊び感覚で御社に話を聞きに行きました。


そうですね。8月くらいでしたよね。夕方の6時半にいらっしゃいました。


そうですね。で、ふらっと来て。


ふらっといらっしゃいましたね(笑)。ゴム草履を履いてらっしゃったのが印象的でした。


(笑)。で訪問看護での独立についていろいろと話を伺ってイメージがついて、その中で色々と自分の中で考えて。

奥さんに相談したら、もう二つ返事で、「いいよ」って言ってくれて。


すごく理解のある奥様ですね。


はい。何か別に、何も言わず、「うん」っていう感じでした。


→インタビュー後半に続きます。